「エンバリーおじさんの絵かきえほん」は、1970年代から(日本版は1981年から)ロングセラーを続けている人気シリーズ。『かお かけちゃうよ』、『どうぶつ かけちゃうよ』といった作品のタイトルどおり、三角や丸、四角、矢印といった単純な図形や線を組み合わせて、人の顔や動物、機関車、帆船などありとあらゆるものの描き方を手ほどきしてくれる絵本だ。 この『なんでも かけちゃうよ』は、あかちゃんから駅馬車、スカンク、ティラノザウルス、冷蔵庫にフォークリフトと実に400以上ものイラストの描き方が紹介されている。それらは、描く順序や部分が絵かき歌のように順を追って示され、子どもでも簡単にまねすることができるよう工夫されている。 膨大な量のカットは、カードやポスターに添えるだけでなく、マンガや絵本を描くことができるほど。街や港の風景、駅や飛行場といったさまざまな場所や場面を描きながら、自分だけの世界をどんどん広げていくことができる。「HAPPY DRAWING!」(楽しく絵をかこう!)というエンバリーのメッセージがいっぱい詰まった絵本だ。(中島正敏)
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