『涙、涙……。』
2年前の春、愛犬を亡くした私には涙なくては読めない本でした。
自分の世界の全てである「あなた」との生活。「あなた」との暮らしの中で、小さな命は「あなた」だけを見つめ、「あなた」を信頼し、生きている。こんなにも、こんなにも「あなた」のことが好きなんだよ、と全身で伝えながら。
やがて訪れる別離。「あなた」への、ありがとう、の想い……。
白い空間を効果的に使った構成が、余韻を深めます。
わんちゃんは、こんなことを考えているんだ、こんな遠慮もしているんだ、と改めて気付かされることもあったりして。
心に、いつまでも静かに響く、1冊です。