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絵本との出会い

 
 藤 かおる

初めての絵本との出会い
 子どもがはじめて出会う本、それは絵本です。
 生後10ケ月〜l才2ケ月ぐらいのころ、親と、子供が、絵本を見ながらあそんだり、お話したり、絵本を自由に見て遊ぴます。
 絵を見ながら、その時々の思いつき話をしながら、ことばをかけていきます。
 わかる、わからないなどと考えてはいませんね。はじめての絵本は、ことばを通して遊ぶ親と子の文化財です。明るくて、やさしくて、楽しくて、絵が生き生きとした絵本をえらんでみましょう。

本好きにするには
 どの子も、本は大好きになります。それは、むずかしい問題ではありません。
 こどもが興味や好奇心を示した絵本から、読み語り、読み聞かせていくと良いのです。
 動物の好きな子、乗り物の好きな子、子どもの手遊ぴなどなどを題材にした絵本を、「語る」ように、読み聞かせてみましょう。
 2才一4才ぐらいになると、自分の好きな絵本を決めて、何度もくり返して“ね、本よんで”とせがむことがあります。これこそ、本好きへの大きな一歩です。1日に、5分でも10分でもよいのです。子どもと一緒に絵本を楽しみましょう。

ことばをのぱす絵本
 子どものことばの先生は、おじいさん、おばあさん。家の人=家族と、そして近所のおじさん、おばさんです。ところが、時代は、核家族化、少子化、子ども遊びの変化で、子どもたちは、ことばを覚える場がな少なくなりました。
 絵本が、子どものことばの先生なのです。物語り、民話、化学や社会の仕組みなどなどの絵本を通して、ことばを知り、そのことばから、いろいろなイメージをふくらませて、物事を理解したり、想像力や空想力を育て、創造力や思考力をたかめていくのです。

こどもの“わかる”ことばとは
 幼児期(3才前後から)に入って、子どもには、日常のことばで、ことばかけをしていくのが良いといわれています。この時期の幼児は、ことぱを、吸い取り紙のように吸収していきます。語いが急に増えていくのです。赤ちやんことばから、日常生活のことばへと脱却して、物を見る目、物を考える力が広がります。ことばは文化です。一のことばを知ることで、想像力や空想力が広がり、深まります。子どもにとって「わからないことば」は、新しいことばであり、「なあに」と考えたり、親に聞いたりしながら、理解を深めていきます。
 また、ことばは、頭の中でイメージを描き、想像力、空想力を広げていきます。わかるからとか、わからないからなどと、幼児の「ことば」を決めつけるのはいかがなものでしょうか。
 幼いときから、母国語の語いをゆたかにして、創造力や思考力を培っていきたいものです。
 絵本や物語りの本を読み聞かせて、語いを伸ばし、心をゆたかに育ててまいりたいですね。

■読み聞かせはいくつまで?
 絵本や物語の読み聞かせに年齢はありません。自分で文字が読めるからといって、本を与えたままでは、本は読まないのです。小学校2、3年になっても、親が大人が、声を出して、読み聞かせることはとても大切なことです。いつまでも子どもと一緒に本を読み合っていきましょう。

(日本児童文学者協会会員、日本民話の会会員、子どもの文化研究会代表)

(注)作家、画家、訳著、出版社名は発行された本の表記に基づきました。


本の選定    藤 かおる   長谷川尚子

参考資料 子どもの本の案内  藤 かおる編・著
いい本みつけた   大泉・絵本の会編

                            

                                     2001(平成13)年6月



このページは、著者:藤薫氏の許可を得て、html に書き換えたものです。  megima 2001.7.9,  2001.7.15