ピアノコーダーは、1980年頃に米国のマランツ社が発売した、専用カセットテープによるピアノの自動演奏装置です。 もとは宇宙開発を手がける米国のテレダイン社が開発したものです。当時はまだ今日のようなパソコンが普及する前で、フロッピーディスクもめったに見ることはありませんでした。そのような時代に、デジタル化した演奏データでピアノを自動演奏させることは、まさに画期的なことでした。 ピアノコーダーの演奏データは、カセットテープに記録されています。カセットテープ自体は一般的なオーディオ用のものと変りありませんが、記録された信号はデジタル信号です。普通のテープの2倍の速度で駆動し、デジタル信号を読み取る特殊なカセットテープレコーダーを使用します。 今日、カセットテープの時代はすでに終わり、ピアノコーダーは時代遅れのものになってしまいました。新しい専用テープはもう作られていませんし、既存のテープも伸びたり、しわになったりと、経年変化による劣化が進んでいます。それに加え、テープレコーダーの部品もなくなり、修理に対応しにくい状況になってきました。 しかしながら、膨大に記録された楽曲のデジタルデータそのものは、決して古くはありません。 また、ピアノ本体に組み込まれた自動演奏装置本体も堅牢で、決して時代遅れではなく、むしろ現在発売されている他社製品の性能をしのぐものであることは、驚くべきことです。 問題は、データの入り口にテープを使用していることだけです。他の主要な部分は、まだ現代のトップクラスなのです。 |
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