整調とは?
定期的に調律しているのに、なぜ整調も必要なのか。
どのピアノも整調が必要なのか。
整調はどれくらいの期間ですればよいか。
ピアノがどのようになったら整調が必要なのか。
整調の前にピアノの修理、修復が必要なこともあります。
毎年決まって定期的に調律はしているのに、どうもピアノ性能は低下してきていると感じることがあるでしょう。最近、「調律」と言うと、狭い意味の「調律」で、音程をあわせる作業に限定しているようです。しかし、ピアノは日が経つにつれ、また弾き込むにつれ、ただ音程がくるってくるだけではありません。自動車のメカのあちこちが次第に劣化したり、調整がくるってくるのと同じで、ピアノのアクションも機械ですから、使うほどにくるったり、磨耗したり、こわれたりするのは当然です。また、堅牢な鉄でできた機械ではなく、木材や、フェルト、皮革等といった、温度や湿度に敏感な素材を使用しているため、頻繁な整調が必要です。
整調とは、ピアノのアクションの木材、皮革、フェルトなどの材料の磨耗や、乾湿の繰り返しによる変化などから派生する、タッチの悪化を補正する作業のことです。
整調の必要なのは、です。(鍵盤は、アクションの一部として分類することもありますが、ここでは別にしました。)
音程をあわせることは、ピアノの調整の一部分にすぎません。調律、ヴォイシング、整調の3つの作業の組み合わせが必要です。 整調は、ピアニストのタッチにピアノがついていくように調整することです。早いパッセージをピアニッシモで演奏することや、同じ音を急速に連打する事は、よく整調のできたピアノでなければ不可能です。このように幅広い強弱差(ダイナミックレンジ)を得るためには、調律やヴォイシングだけではなく、整調も必須なのです。
普通のピアノならすべて定期的な整調は必要です。アップライトも、グランドも。定期的な整調の期間は、当然、使用頻度によります。
ピアノが新しい間は、とくに整調が大切です。ピアノは、新しい環境に適応しようと、もがいているのです。ですから、最初の1年以内に整調をおこないましょう。
いつごろ整調をすればよいかは、どれくらいピアノを弾くかとか、湿度や気温などの環境はどうかということで、変わってきます。いちがいには言えない要素があるので、調律をするときに、調律師に相談しましょう。
とは言え、調律師は普段の定期的な調律のなかで、ある程度の整調はおこないます。大きくくるっていて、サービスの度をこしているときは、有料となります。
当然のことながら、整調はすればするほど良い結果を生むでしょう。従って、定期的な調律と同時に、整調も依頼することをおすすめします。
おかしなことですが、ピアノの原価を安くおさえるためなのか、製造時にメーカーで当然、繰り返しおこなわれているはずの整調やヴォイシングが、ほとんどなされていないピアノをよく見かけます。「素人には細かなことはわからないから」と言うことでしょうか。いくら立派な外装と、高価な部品を使っても、整調、ヴォイシング、調律ができていないと、ただの音のなる箱にすぎません。半製品です。残念なことですね。
いろいろな兆候があります。
このように様々な兆候があります。まだまだあると思いますので、思いつくごとにこのリストに追加していこうと思います。
よく整調のできていないピアノで練習することは、かなりの無駄な努力を強いることになります。上達しないのは、本人の責任であるより、残念ながら、ピアノの責任であることの方が多いようです。このことは、ピアノメーカーの責任でもあり、調律師の責任でもあり、また、ピアノのオーナーの責任でもあります。
もしも、ピアノが長い間手入れをせずに放置されていたら、いろいろな部品が欠落していたり、磨耗してしまっていたり、虫食いになっていたり、ネズミの巣になっていたりします。そのような場合は、そのままで、整調することは不可能なこともあります。
その場合は、部品の取り替えを含む、修理が必要です。
図版
ジャンプ
このホームページはリンクフリーです。どのページにリンクしてくださっても結構です。
有限会社 ピアノ技研 〒651-1505 神戸市北区道場町日下部 729−1
電話 078-951-1719
E メールshop@pianogiken.com