ピアノの手入れの基本的な方法。
- ピアノの音程はいつも正しくあっていなければなりません。ピアノはAの音で440Hz
(440サイクル)(1秒間に440振動すること)ように設計されています。このピッチは国際的な標準(コンサートピッチ)とされています。ピアノはこのピッチに調律されているとき最良の音を出すようにつくられているのです。
いつも正しいピッチに保つためには、定期的な調律が不可欠です。「くるってから直す」のでは決して良い結果は得られません。ピアノがくるったように聞こえるときは、実はもうかなりくるってしまっているのです。
- ピアノはいつもクリーンに保ちましょう。使わないときは、必ずふたを閉めましょう。そうすることによって、ほこりや湿気を防ぐことができるし、また、象牙の鍵盤の場合は黄変を防ぐこともできます。
鍵盤についた汚れや手垢などは、ぬらしてかたくしぼったタオルなどでふき取りましょう。とれにくいときには、石鹸をつけた布で拭いてみましょう。大切なことは、ふき取ったあとはすぐに乾かすことです。かたくしぼること、水滴が鍵盤にたれないこと。また、けっしてシンナー等の溶剤や化学薬品を使わないでください。鍵盤の素材がおかされて、ひび割れしたり、溶けたりすることがあります。どうしてもとれない汚れについては、調律師に相談しましょう。
- つや消しのピアノの外装の 手入れ。指紋や手垢などの汚れは、かたくしぼったぬれ雑巾でふき取ります。シリコンを含んだワックスなどを用いると、艶が出て、てかてかになってしまいます。
- ピアノ内部の機構のメンテナンスや整調
は専門の調律師にまかせるべきです。内部にたまったほこりを掃除したり、注油したり、乾燥剤、防錆剤、防虫剤をいれたりもします。調律師は、ピアノ内部のあらゆる問題に対処します。
- ピアノのおいてある部屋は、いつもできるだけ一定の室温と 湿度を保つ
ように心がけましょう。ストーブのそばや、エアコンの風のあたるところ、出入口のそばや、窓のそば、直射日光のあたるところ、風呂場や台所の湯気のただよってくるところなどは、ピアノの置場所としては不適切です。また、水槽や、植木鉢、生け花なども、ピアノから離れたところにおくようにしましょう。
最近あまり見かけなくなりましたが、スケルトンのついた直火式のガスストーブは、ピアノには最悪でした。室温の上昇が急激なのと、燃焼にともなって多量の水蒸気が発生するからです。一冬の間に弦が真っ赤に錆びてしまうことがよくありました。
ピアノの上に植木鉢や花瓶をのせると、たしかに美しいのですが、水をこぼさなくても、ピアノのふたは閉めていても、どこからか水分が忍び込み、ちょうどその直下の弦が錆びたり、そのあたりの鍵盤が上がらなくなったりすることがあります。
金魚鉢なども要注意です。とくに、空気をおくってぶくぶくすると、超音波と共に水の粒子が空気中に飛散し、ちょうど加湿器と同じ働きをするようです。ですから、ピアノからはできるだけはなしておいてください。
- ピアノは定期的に弾くようにしましょう。メンテナンスもせず、弾かずに放っておくと、通常なら起こらない故障も起こってきます。一年以上も調律せずに放置すると、基本のピッチが下がってしまい、しばしば
ピッチの引き上げが必要になります。
また、放置したまま長い年月がたつと、リビルディング(修理)やリコンディショニングといった、大がかりな作業が必要になることもあります。
- 飲み物をピアノの上においているのをよく見かけます。ワインやカクテル、コーヒーなどを飲みながらムーディーな演奏に耳を傾けるのもすてきなことですね。でも、ピアノの上にだけはグラスをおかないでください。もしもこぼれたりすると、取り返しのつかない損害をこうむることになりかねません。実際、そのような結果の修理がよく持ち込まれてきます。ピアノに水分は大敵です。万一そのような事態になったときは迅速な修理が必要です。すぐに対応すれば何とかなるものですが、日が経つにつれ修復は困難になります。
- ピアノの運搬は、ピアノ専門の運送業者を選びましょう。ピアノはとても重い上、精密です。けがをしたり、ピアノを傷つけたり、建物に傷を付けてしまったりの事故がよくあります。また、よい運送業者が運ぶと、音程や、タッチのくるいも少なくてすみます。
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